遺言執行者について

遺言書を作るうえで、必ず検討しておきたい事項が「遺言執行者」の選任です。

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために、必要な一切の手続きを行う人のことをいいます。
 〇相続財産目録の作成
 〇各金融機関での、預貯金確約手続き等
 〇法務局での、不動産名義変更手続き等
遺言執行者は、これらの手続きを単独で行うことができます。

例えば、『預貯金を解約してお金を受け取りたい。』
このような場合、遺言執行者がいなければ、相続人全員からの承諾書、印鑑証明書が必要になります。
銀行が5行あれば、それぞれ5行分について用意しなければなりません。
仲の良い相続人2~3人位ならいいのですが、相続人が10人位ともなると
本当に煩雑な事務手続きになってきます。さらに財産の分け方でもめる方も出てくると、
印鑑証明書を出してくれなくなります。
それで、相続手続きが進まなくなる、ということも考えられます。

対策として、遺言書の中で遺言執行者を定めておけば、その遺言執行者が遺言書の中にある預貯金の解約や
不動産の名義変更が、遺言書と遺言執行者の印で単独で行うことができます。
これができるか、できないかで遺産継承手続きのコストが変わってくることになります。

遺言執行者の選任方法
〇遺言書で指定する。
〇相続事案発生後、相続人や利害関係者が、家庭裁判所に遺言執行者の選任の申請を行う。
・遺言執行者は、相続人等だけでなく、弁護士、税理士、行政書士等の専門家も選任できます。

遺言執行者になれない人
〇未成年
〇破産者

※次回は、遺言執行者に就任した場合、何をしなければならないかについてお話ししたいと
 思います。







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